玉山国家公園南部園区外にある梅山集落はブヌン族のコミュニティに属していますが、このコミュニティはかつて南投県郡大渓流域、花蓮県大分を転々とし、最終的に荖濃渓上流に定住しました。その間には抒情詩のような壮大な出来事も発生しましたが、ラホアレの「ブヌン抗日史-玉穂社伝奇」のように一般的にあまり知られていないものもあります。
梅山集落は高雄市桃源区の最北端に位置し、荖濃渓旧水路の高位置にある河岸段丘地形に属し、初期にはこの台地にブヌン族の言葉で「マスホル(Masuhuaz)」と呼ばれる野生の黄色い藤が生えていたので、これが集落名となりました。現在は「梅山口」と「梅山集落」の2つのエリアに分かれており、梅山口は台20線南横公路脇の山麓下にあり、現地の人々の娯楽とビジネスが往来する場所となっています。梅山集落は梅山口交差点の連絡道から入ることができ、現地の住民は有機栽培で桃、スモモ、梅などの農業を主として営んでいます。梅山集落の有機農家については、小農市集電子書籍のリンクをご覧ください。
梅山ビジターセンター周辺
梅山集落(マスホル(Masuhuaz))へ向かう「梅山連絡道路」は交通の要道であり、梅山口から集落までの全長は約1.7キロです。曲がりくねった道をずっと進んでいくと、沿道に育つ農作物の姿が目に入ります。唯金渓を跨ぐ馬舒霍爾吊橋か、或いは梅山橋を渡ると 、荖濃渓沿いに広がる梅山集落に到着です。ここを訪れる前には、吊り橋のわきにある東屋で唯金渓と荖濃渓の合流地点の景観を一望してもいいでしょう。それから集落に入り、生活の原風景が残る村でブヌン文化の風情を堪能してはいかがでしょうか。
集落の周囲には梅やスモモなどの果樹が植えられ、静かで趣があり、冬に梅の開花時期には多くの観光客が観賞にやってきます。「拉荷阿雷後代居所(ラホアレ子孫の住居)」と「馬舒霍爾文化聚落所(マスホル文化収集所)」を訪れた後、旅の終点である「梅山吊橋」に到着します。赤みがかったオレンジ色の橋が荖濃渓を雄大に跨いでおり、橋の上から眺める河岸段丘と川の切り込み、堆積作用による地質の景観はとても壮大です。ここからはさらに遠方の梅蘭林道につながっており(現在は崩壊のため通行止め)、また西側中腹の産業道路(関山越嶺道との合流区間)からは集落の全景が見渡せます。往復で約4キロの道のりで、所要時間は1~2時間です。