国立公園内の平均海抜2500メートルの範囲内には台湾の低・中・高海抜に分布するすべての動物が存在します。1985年、当地が国立公園になった当初は、動物資源は決して豊富ではありませんでした。長期に渡る無制限の文明干渉が招いた結果です。ところが、長年の保護が効果を奏し、今日では、ある稀少な動物の族群を調査したところ、それらは増加していることが確認されました。公園内の林道を歩いていると、帝雉の姿を見かけますし、小さな池の端には、キョンや水鹿の足跡を発見します。この感動は何よりも替えがたいものなので、より多くの人と分かち合うためにも、下山の際には必ずごみを持ち帰りましょう。また、ハイキングの時は、大声で騒がずに、野花や野草を採るのはやめたいものです。どの海抜にも、どの林相にも、そこに棲息する動物がいます。森林を乱伐しても他に同種の森林があれば問題ないという主張も耳にしますが、気温、湿度、食物連鎖の関係で、同様の動物が生存するのに適するとは限らないのです。野生動物には無干渉であることが最良の保護方法なのです。「適者生存」の原則の下、生存競争で淘汰され、絶滅の危機にさらされている種類の族群もいます。

生態環境の保存が良好な国立公園の山奥深いところには、近年台湾黒熊の姿が活発に見られるようになりました。このニュースが伝わったとき、多くの人の反応は「早く追い出さなくては、もし人間に襲いかかったらどうする?」といったものでした。「すべての万物に生存権がある」という立場から考えると、我々はこのような人間中心の考え方をやめなくてはいけません。黒熊は太古の昔にこの麗しの島にやってきて、今では不当に小さな地区で生活しているのです。人間がどうして彼らを殺すことができましょうか。国立公園内では自由に生活させてあげるべきです。

海抜3500メートル以下の森林の湿った場所で、石ころをひっくり返してみると、小さな山椒魚を発見することができます。この山椒魚は台湾の珍しい両生類で、145万年前のジュラ紀地質年代期に地球に出現した生物です。これは台湾がかつて氷河期を経てきたことを証明するものです。彼らが絶滅してしまったら、後生の人が台湾の地質史を考証することさえ難しくなってしまうのです。

爬虫類に属する蛇は人に嫌われ、怖がられています。しかし、実際のところ蛇は自ら攻撃をしてくることは少なく、通常は人が誤って踏んだり、彼らの領域を侵してしまった時に、防衛として噛み付くのです。残念なことに、彼らの数量も次第に少なくなっています。公園内には何種類かの特殊な蛇がいますが、その中の一つが「菊池氏亀殻花」と呼ばれるものです。これは短く太っており、全身が灰色です。高海抜ではあまり見かけませんが、もし遭遇したならば怖がらずに、叩いたりせずに遠回りしてください。

もう一つ稀少なことで知られる蛇は「高砂蛇」で、もし運良く遭遇したならば、記録と研究に役立ちますので、玉山国立公園のスタッフに教えてください。蛇は高山ネズミ類の天敵で、林木のネズミ害を抑制することができます。また、大型の肉食、雑食動物の餌にもなります。一匹の蛇を殺さないことは功徳を積むだけでなく、全生態系に福をもたらすのです。

毛虫は蛇と同じく人に嫌われますが、毛虫は蝶に化身します。毎年3月から5月に渡り、低海抜の白い花が咲き乱れるところに、大紅紋鳳蝶、紅縁黄小灰蝶、紅(金+廉)紋(虫+夾)蝶が舞い飛びます。国立公園内では東埔でみることができます。
蝶といえば、毎年盛夏には、曙鳳蝶が海抜2000メートル地域で姿を現します。深い桃色の翅が彼らの目印です。もう一つ、翅に二列の丸型の紅模様がある雙環鳳蝶も、盛夏に高海抜の地点で見かけることができます。